
新聞に大量の誤字を発見!?
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宮大付、宮崎西高付、都城泉ケ丘高付
この新聞の赤の個所を見て、何か気づかれましたか?
新聞の誤字を指摘する長男(中一)
2017年7月28日の新聞を手にした長男が、
お父さん、新聞の字がたくさん間違ってるよ。ほら見て!
と、心地よいまどろみの中にいる僕を起こしにきた。
前日に中体連のテニスの試合で優勝した先輩たちの写真を確認しようとして気付いたらしく、
新聞を早く回収して修正しないと恥ずかしいよ。
と誤字の確認を迫ってくる。
新聞が字を間違うはずがない
新聞が間違うはずないよ。
何人もの目でチェックしてんだよ。
どこが間違ってるって?
と、長男の指先の文字に目をやると・・・
あれっ、うそ、やだ、確かに間違っているではありませんか!
上の新聞画像の赤の個所が、長男の指摘してきた字です。
結構な数ありますね。
で、何が間違っているのか?
付属ではなく附属
新聞に書かれている「宮大付」は、「宮崎大学教育学部附属中学校」のことです。
だから、正しく略すなら「宮大附」と書くべき。
というのが長男の指摘です。
付属と書かれた文字は間違いなのだろうか?
長男がしっかりと新聞を読んでいるということで、親としては嬉しいですね。
さて、「附属」を「付属」と書かれていることは間違いなのでしょうか?
赤い個所は20個所、何重ものチェックの目が向けられる新聞社で、これほどの数の誤りをするはずがないと思うのが普通です。
ちなみに、新聞記事ができるまでは、おおよそ以下のような工程となります。
2. デスクと呼ばれる記者の責任者が原稿をチェックし原稿の取りまとめる
3. 各部のデスクらが集まり、編集会議を開いて紙面作りの方針を立てる
4. デスクが、その日の紙面計画に従い、それぞれの面に記事を送る
5. 編成部が集まった記事の見出しや配置を決めコンピューターで紙面を作る
6. 記事に間違いがないか、校閲部や各取材部がチェックする
これは調べる必要があると引っ張り出したのが「記者ハンドブック」です。
新聞では固有名詞でも附属は使わない
記者ハンドブックで「ふぞく」を調べると、
(附属)→ 付属〔固有名詞でも附属は使わない〕
と明快に書かれていました。
常用漢字表のうち新聞では使わない7字
さらに、常用漢字表のうち新聞では使わない以下7字の存在を知ることができました。
虞(おそれ)、且(かつ)、遵(じゅん)、但(ただ)、朕(ちん)、附(ふ)、又(また)
新聞での使用例
怖れ、惧れ、虞 | → 恐れ〔一般用語〕恐れをなす、絶滅の恐れ |
且 | → かつ |
遵守 | → 順守 |
但し | → ただし |
朕 | – |
附 | → 付 付加、付則、付属、付帯、付録 |
又 | → また また聞き、またしても、または |
あれ、「法令遵守」を新聞では「法令順守」と書いていたのかな?
「おそれ」は「恐れ」と書けば間違いないですね。
一家に一冊 記者ハンドブック
記者ハンドブックは、「こんなときはどう書けばいいのだろう?」と迷った時にとても役に立つと言いますか、ほんとうに面白いですよ。
日本語の正しい使い方、伝わる文章の書き方がこの一冊に集約されています。
例えば、「かえる・かわる」を漢字で書くとき、「変」、「換」、「替」、「代」を正確に使い分けられるでしょうか?
国語辞典でも詳しく書かれているものはあるのですが、記者ハンドブックは非常に分かりやすく、以下のように文例も書かれています。
=変〔前と異なる状態になる、普通と異なる〕
位置が変わる、色が変わる、打って変わって、生まれ変わる、形を変える、変わり種、変わり果てる、変わり身が早い、観点・立場を変えて、季節の移り変わり、攻守所を変える、声・心変わり、宗旨変え、早変わり、方針・予定を変える
=換〔AとBを交換〕
言い換え、置き換え、書き換え、借り換え、(遺伝子)組み換え〔限定用語〕、取り換え、乗り換え、配置が換わる、引き換え、物を金に換える〔換金〕、乗換駅・券、引換券・証
《使い分けに注意》
▶空気を変える〔雰囲気〕
▶空気を換える〔換気〕
=替〔新しく別のもの・行為にする〕
預け替え、井戸替え、入れ替え、入れ替わる、移し替え、買い替え、替え歌、替えズボン、額を掛け替える、花瓶の水を替える、着替え、切り替え、国替え、組み替え〔一般用語〕、くら替え、クラス替え、衣替え、差し替え、商売替え、植物の植え替え、すげ替える、住み替え、すり替え、組織替え、代替わり〔経営者、年代など〕、台替わり〔金、数字〕、(金の)立て替え、(家の)建て替え、月替わり、作り・造り替える
=代〔ある役割を別のものにさせる〕
あいさつに代えて、命に代えても、入れ(り)代わり立ち代わり、親代わり、肩代わり、代わり映えのしない、代わり番こ、ご飯のお代わり、社長が代わる、政権が代わる、背に腹は代えられぬ、その代わり、父に代わって、投手を代える、取って代わる、何物にも代え難い、身代わりになる、余人をもって代え難い
このように、中学生でも十分に理解できる内容になっているので、正しい日本語を学ぶアイテムとして役に立つと思います。
一家に一冊、記者ハンドブックです。
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