
Tatsuro Yamashita Performance 2011-2012
職人、山下達郎

Tatsuro Yamashita Parformance 2011-2012
2012年3月9日、宮崎市民文化ホールで公演されたTatsuro Yamashita Performance 2011-2012に行ってきました。
職人的なミュージシャン、そんな印象を以前から持っていましたが、生で見た山下達郎は自分が思っていた以上に職人でお茶目な人でした。
アリーナのような場所でライブをやる方が観客導引数は多くてメリットも大きいのに、達郎さんは「ホールでのライブにこだわる。」と言っていました。
音へのこだわりが、こういう言葉からも垣間みることができます。
一発目の曲はBigWaveからThe Theme From Big Wave、え?何で? でもきたーっ!達郎さん、この間書いた俺のブログ見たでしょう!!と思いましたよ。小学5年生の頃、一生懸命覚えた曲でした。
Ray Of Hopeメインの選曲と思っていたので余計に感動するわ、トップギア入って勝手に体が動き出すわで、最後まで体が持つか心配になりましたよ(笑)。
トークも面白い! 山下達郎
「宮崎には82年~84年は連続で来ていたけど、1999年それから2009 年までパッタリ、今回は3年振りの宮崎での公演だけど、今回はノリがいい。みなさんの拍手が上から降ってくる感じがとても気持ちいい」と我々観客を乗せる巧みの技、職人だなと感心です。
「音楽に携わって37年、250曲もの中から選曲するのが大変。最近のライブではどの曲を削るのか困っている。」と途中のMCでもらしていました。
達郎さんのサンデーソングブックってラジオ番組をたまに聞くと、淡々とした話し方で笑えることなかったような気がするけど、MCも意外に良くて知性感じる笑いというのでしょうか、この人、笑いもイケるミュージシャンだなと。
ジャズサックスプレイヤー 宮里陽太
ツアーメンバの中に宮崎出身の宮里陽太さん。サックス担当で、達郎さんが生涯会ったJAZZサックスプレイヤーの中で5本の指に入る実力者と認めるだけあって、スゴい速さで指動くわ、音に迫力!そのエネルギッシュな波に完全にのまれてしまいました。
それから肺活量というか呼吸法、瞬時に大量の空気を吸う技術が並じゃないと思った。2階席から裸眼で演奏者の指の動きや呼吸の仕方が見える自分の眼力も凄いと思ったけど。
まさかこの時期にあの曲
ステージが白っぽくライトで照らされて流れ出したメロディーがクリスマス・イブですよ。まさかこの時期に生クリスマスイブを聞けるなんて幸せです。郷愁に思いを馳せる、皆そんな空間に包まれていた感じがします。
プロポーズ
30代半ば、いわゆるアラサーの女性の心情を書き綴った詩と紹介されたプロポーズ(Ray Of Hopeから)という曲。
「幸せにしてあげるよ きっとってプロポーズで”きっと”って言わないでしょう! “幸せにしてあげるよ”って上から目線じゃない?」などと女性に突っ込まれたらしいですが、「歌なんだから!」というやり取りを暴露していました。
「あれ! 俺、家の奥さんにプロポーズってしたっけ!?」と、ふと頭をよぎったのでした。
気を読む
「この歳になって気を読むことができるようになりまして」と観客を前に言っていました。
気を読むとは、雰囲気の「気」であるような空気を読む、感じるようなものと捉えることもできると思いますが、達郎さんが言っていた「気」は、もっと深いところのことを差している、そんな気がします。
前のRay Of Hopeでも書いたように、曲の詩からも伺い知ることができ、きっと他の人は特に気にも止めず流していたかもしれませんが、気持ちだとか心情だとか、根底に流れるものを音楽で表現してるんだなと改めて感じました。
ライブでも同じ声
レコーディングされたソースから聞く音(歌)と、ライブでは音が違って聞こえますよね。ライブに行ったのは今回が初めてなのですが、テレビを通してライブを見たときの感想です。
早い話しが、ライブでの歌唱力は踊ったり動いたりするので、それほど期待はできないだろうという先入観。でも、達郎さんのライブは驚いたことにほぼ一緒、いやそれ以上!
自分の声を多重録音したドゥーアップをバックにアカペラ。これもガラパゴス?マイクを通さず肉声だけで2階席の奥まで澄んだ声が矢の如く飛んでいっていました。
終始あの美声で何で歌い続けれるの?と不思議でならない、カラオケで数曲歌っただけで声がかすれてくる素人考えを引き合いに出されても迷惑極まりないとは思いますが、もう素晴らしいとしか言いようがないです。
※ 「これもガラパゴス。」について。今後は新しいものを追い求めるのではなくて、やりたいことをやる。結果的にガラパゴス化するかもしれないけど、それが山下達郎という意味で、「これもガラパゴス!」って随所にアナウンス。
ギターも凄かった
深海パーティーでムーディーなギター演奏に割って入ったマーティ(マイケル・J・フォックス)のあまりのハードなギター演奏に、皆度肝を抜かれ目が点になっていた様子(バック・トゥ・ザ・フューチャー)、まさにその状態となっていましたね。
ギターってああやって弾くの!? あんな弾き方もできるの?って感じです。
ギター速弾き対決って言うんかな?佐橋佳幸さんとのセッションはギターで会話しているよな風に見えて楽しそう!
なんなんだよ、このオールマイティーさ。非の打ち所がないし文句無しにカッコイイと思った。
希望という名の光
曲自体は東日本大震災前につくられた曲、でも震災後、この曲が一人歩きし始め支持されるようになった。
自分に出来ること、日本全ての人の心に訴えることは自分にはできない、だからせめてここに集まってくれた人達へという想いを曲にのせている。
口だけだったり、まやかしの絆ではない、みな根底では繋がっている、だから愛を思い出そう、愛という名の絆。そんなメッセージを受け取った気がします。
クライマックス
18時30分に始まって、終わったのは22時00分ですよ。3時間30分ってみんな凄い(笑)。
今回のコンサートは僕は一人で行きました。2階の右最前列付近の席で、僕の隣には50代半ばくらいのご夫婦のご主人。とても紳士的な方でした。
2階席から1階席を見ると最初っから常連と思われる方々がスタンディング 。
2階席は誰も立っていなかったのですが、後半のアトムの子でたまらず僕は立ち上がりました。
すると後方の席の人達が次々と立ち上がり始めるではありませんか。皆うずうずしてたんだなと嬉しくなりました。
アトムの子の歌詞にあるように、
どんなに 大人になっても 僕らは アトムの子供さ
どんなに 大きくなっても 心は 夢見る子供さ
Fe Fe Feel It!
Fe Fe Feel It!
皆が自制から解放された瞬間でした。そこで終了だったのですが、そこからスタンディングオベーション、アンコールの拍手と達郎コール!
隣の紳士的な方は完全に夢見る子供と化して「達郎ーっ フュー フューッ」と指笛までwww
皆の潜在パワーを解放したよ すっげーっ達郎パワー 恐るべし!
2階席の前方って下を支えている支柱らしきものが見えないから、皆がスィング始めたら崩れ落ちるんじゃないかと不要な心配をしてしまいました(笑)。
そしてアンコールでRIDE ON TIMEが来た時は心に火がついて最高の盛り上がり!皆の愛が光を放ち出し目もくらむほど!!歓喜の涙でございました。
このようなライブを今まで知らずに生きてきたなんて! 今度は妻や子供も達郎還暦コンサートに連れていくぞ!!
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