
思いの具現化
今年の初め(2008年)に、「本でも書いてみようかな」と思ったことが具現化され、執筆した本を手にしています。
本を手にしていたら、僕が生を受け、これまで出会ってきた人たちの顔や思い出が浮かんできました。
いま皆に感謝しています。ありがとうございます!!
Contents
専有と共有ホスティングに一石を投ずる
そもそも文才のない僕が、なぜ本を書いたのか、今思うと勢いって怖いなと思います。
それまでの僕の仕事は、インターネットサーバーを設計し構築し管理することが主でありましたが、データセンターのセンター長という立場となり、サーバーの稼動状況や運営コストなどを意識する必要が出てきました。
その一つとして、サーバー1台が稼ぐ売り上げをアップさせることを模索していました。
既存のデータセンターのホスティングサービスには大きく分けて二つ。専有と共有ホスティングです。
専有ホスティング
専有ホスティングサービスは、物理サーバーを1社が専有するサービスです。
サーバー機器のスペックは、想定されるアクセス数などをヒアリングして決定します。
その為、初期および月額費用は高くなってしまいます。
共有ホスティング
共有ホスティングサービスは、1台のサーバーを複数のユーザーでシェアーして使うサービスです。
サービス価格は安価に抑えることができるというメリットはありますが、サーバーのリソースをシェアーして使うので、例えば1ユーザーのホームページにアクセスが集中してしまうと、サーバー全体の負荷が高くなり、他のユーザーのホームページの表示にも影響が出てしまうというデメリットがあります。
VPSという新たなサービス形態
それまで、専有と共有というホスティングサービスを提供していましたが、ユーザーによっては「帯に短し襷に長し」というケースも少なからずありました。
専有ホスティングを使う程のアクセスは想定していないが、他に足を引っ張られるのは困るという声は当然ですし、SSL証明書も共有ホスティングでは制限があるのでコスト高ではあるが、専有ホスティングを選ぶユーザーも多くありました。
そこで、国内ではまだ提供している会社は多くありませんでしたが、VPSというサービスを提供開始しました。
VPS(バーチャル・プライベート・サーバー)
VPSとは、専有と共有ホスティングサービスの中間に位置するサービスになります。
1台のサーバーを複数のユーザーとシェアーするので共有ホスティングに似たサービスにはなるのですが、ユーザー毎にサーバーのリソースを割り振ることができるので、1ユーザーが全てのサーバーリソースを使い切るということはありません。
また、共有ホスティングサービスでは制限のあったSSLも、ユーザーの領域を厳格に仕切ることができるので、専有ホスティングサービスと同じように提供することができます。
VPSで一台当たりの売り上げがアップ
例えば、専有ホスティングサービスを¥50000/月で提供していたとしましょう。
同じスペックのサーバーをVPS仕様にして、¥10000/月で10ユーザーを割り当てると単純計算で一台当たり2倍の売り上げアップとなります。
これがラック単位、データセンター単位になると、もうお分かりだと思いますが、ユーザーや株主どころか、地球も喜ぶということになります。
地元メディア関係のK部長の一言で執筆
前述したような話を、地元メディア関係のK部長に話しました。
K部長は、「伝える力」が半端ではなく、尊敬でき、「K部長の力になりたい」と思える方です。
その方から、
そんなにいいことなんだから、本にしてみたら?
と言われたのです。
OpenVZ徹底入門を執筆
その一言で、VPSというサービス形態を世に広めたいと思い書いたのが、OpenVZ徹底入門です。
最初は簡単に考えていたのですが、正確な情報を発信することがどれほど大変であり、責任あることなのかということのプレッシャーを感じながら書き上げた本です。
前職の先輩である中島能和さんの助言や、同じ職場の佐藤治さんの協力とサポートが無ければ、途中で書くのを投げ出していたかもしれません。
感謝に値する言葉が見つからないほどの気持ちを持っています。本当にありがとうございました。
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