
砂浜に着陸!? 潮が引くと滑走路になる、スコットランド・バラ空港の不思議
スコットランドの沖に、潮が引くと滑走路が現れる空港があります。
その名もバラ空港。満潮になると海に沈む砂浜に、19人乗りのプロペラ機が毎日降りてくる、世界でただひとつの空港です。時刻表は潮の満ち引きしだいで、毎日変わります。
NHK BSの「弾丸!空港トンボがえりツアー」で、10月2日(金)夜8時30分から取り上げられます(2025年3月の初回放送の再放送)。番組の紹介文には「砂浜へのドキドキの着陸」「海岸滑走路で潮干狩り?」「弾丸ディレクターは無人の空港に宿泊」と、気になる言葉がずらり。
エアポート投稿おじさんと揶揄されるNeo隊長としては、放送を待ちきれず、先に調べてしまいました。
どこにある空港?
バラ空港があるのは、スコットランドの西の沖に連なるアウター・ヘブリディーズ諸島のバラ島。その北の端にある、トライ・ヴォール(Tràigh Mhòr、「大きな浜」という意味)という遠浅の湾が、まるごと滑走路になっています。
飛んでいるのは、ローガンエアのグラスゴー便だけ。1日2便が基本ですが、潮の具合で2機が続けて来る日もあれば、1便も飛ばない日もあるそうです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 空港コード | BRR |
| 場所 | スコットランド・アウター・ヘブリディーズ諸島のバラ島 |
| 滑走路 | 砂の滑走路3本(799m・680m・846m) |
| 飛んでいる便 | グラスゴー行きのみ(ローガンエア) |
| 機体 | DHC-6 ツインオッター(19席) |
| 定期便の開始 | 1936年8月7日 |
| 旅客数 | 11,822人(2025年) |
ドキドキの着陸
番組の紹介文にある「砂浜へのドキドキの着陸」。これは大げさではなさそうです。
潮が引いた時間だけ
滑走路は、満潮になると海の底。飛行機が降りられるのは、潮が引いている間だけです。なので、グラスゴーからの便の時刻は、潮の満ち引きに合わせて毎日変わります。潮位がおおむね3メートルより低ければ使える、という目安もあるんだとか。
滑走路は三角形
砂浜には、滑走路が3本、三角形に並んでいます。端っこの目印は、なんと木の杭。3つの向きがあるので、どこから風が吹いても、ほぼ向かい風で降りられる仕組みです。
この着陸の景色は、2011年に「世界の空港アプローチ(着陸)」ランキングで世界1位に選ばれています。
YouTubeには、着陸・離陸の動画がたくさん上がっています。空港を運営するHIALの公式動画では、砂浜の滑走路と空港の様子を2分で見られます。
滑走路で潮干狩り?
「海岸滑走路で潮干狩り?」も、本当の話のようです。
日本の潮干狩りといえばアサリやハマグリですが、この浜で採れるのはザルガイ(コックル)。お寿司のネタでおなじみのトリガイと同じ仲間(ザルガイ科)の貝です。英語では、トリガイを「Japanese Cockle(日本のコックル)」と呼ぶこともあるんだとか。
ザルガイの浜
この浜は、ザルガイ(コックル)がよく採れることで有名で、「コックル・ストランド(ザルガイの浜)」という別名があるほど。島の人たちが熊手で砂をかいてザルガイを採り、島の水産会社に売っているそうです。
吹き流しが合図
とはいえ、飛行機が来るときに浜にいたら大変です。浜には「吹き流し(風向きを示す布)が揚がっているときは、浜に入らないで」という看板があります。
逆に、空港が閉まって吹き流しが下りているときは、滑走路はふつうのビーチに戻ります。サーファーも、犬の散歩の人も、家族連れも、みんな滑走路を歩けるんです。
ちなみに空港の消防隊が呼ばれるのは、飛行機のためより、浜に打ち上げられたイルカやアザラシの救助のほうが、ずっと多いんだとか。なんとものどかな空港です。
無人の空港に泊まれる?
番組では、ディレクターが「無人の空港に宿泊」するそうです。え、空港って泊まれるの? と気になって、調べてみました。
開くのは昼だけ
バラ空港のターミナルが開いているのは、月〜土曜が10時30分〜15時30分、日曜は11時〜12時15分だけ(潮の具合で変わります)。つまり、ふだんの夜は閉まっていて、誰もいない空港になります。
旅行者は島の宿へ
空港を運営する会社の公式ページには、一般の旅行者が空港に泊まれるという案内はありませんでした。番組のディレクターの宿泊は、取材だからこそできたことなのかもしれません。
実際に行くなら、空港に泊まろうとせず、島の宿を予約しておきましょう。
ターミナルには、島の食材を使ったカフェもあります。評判がよく、バラ島のホタテを使ったメニューもあるそうです。
空港の営業時間は、運営会社HIALの公式ページで確認できます。
飛行機になら泊まれる
空港には泊まれなくても、飛行機になら泊まれます。実はNeo隊長、アメリカ・オレゴン州の森にある「飛行機の家」で、退役したボーイング727の機内に一晩泊めてもらったことがあるんです。
プロローグ ワタシハ〜、ヒコーキ ノ イエカラ…キマシタ! シーガイアテニストーナメントの対戦後、「どこから来られたのですか?」と尋ねたわたくしに返ってきたのは、人懐っこい笑顔とアメリカ人特有のなまりのある日本語、そしてあまりにも非日常すぎる言葉だった。 飛行機の家 ...? ど...
日本からの行き方
ここからは、そらにマイル目線で。日本からバラ空港へ行くには、まずヨーロッパの空港(ロンドンやフランクフルトなど)で乗り継いでグラスゴーへ。そこから最後に、ローガンエアの便に乗ります。片道96ポンドからの表示例がありました(料金は変わります)。
便の時刻は潮で毎日変わるので、予約の前に必ずローガンエアの公式の時刻表を確認してください。
行かずに楽しむ空港
潮が引いたら滑走路。吹き流しが下りたらビーチ。夜は無人。調べれば調べるほど、こんな空港が本当にあるのかと驚かされます。
とはいえ正直に言うと、Neo隊長は「行ってみたい?」と聞かれたら、あまり行きたいとは思いません。それでも、調べるだけでここまでワクワクできる空港は、そうそうないと思います。
まずは10月2日(金)夜8時30分、NHK BSの放送でその着陸を見届けたいと思います。
砂浜に降りる飛行機も不思議ですが、森の中で暮らしている飛行機もあります。オレゴンの森のボーイング727に住む、ブルースさんの「飛行機の家」の特集もどうぞ。
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※この記事の情報は2026年9月27日時点のものです。空港の営業時間・便の時刻・料金は変わることがあります。



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